[速報]相場ニュース
2023 年 8 月 11 日｜相場ニュース
ドル円は上昇トラジェクトリーを保ち、144円の水準に迫る新高を記録
最近、ドル円は上昇トラジェクトリーを保ち、144円の水準に迫る新高を記録しています。この動きは、アメリカの消費者物価指数（CPI）の最近の発表が注目されています。このCPIの発表では、わずかながら予想を下回る結果となり、インフレ圧力の緩和を示唆しています。しかし、市場はこれに迅速に反応し、短期的な金融の動向からは、連邦準備制度（FRB）が今年の利上げを縮小する可能性が高まっていることが窺えます。特に、9月のFOMC会合での利上げの期待は非常に低まっています。
こうした状況の中で、外国為替市場ではUSD売りの動きが一時的に現れ、USD/JPYペアは中143円の水準まで下落しました。しかしこの後、USD買いの勢いが再び出てきました。米国のCPIレポートは、ディスインフレ、FRBの引き締めサイクルの終結、そして健全な米国経済の展望に合致しています。これらの要因が、外国為替市場におけるUSD需要の持続的な感情を後押ししています。
さらに、CPIレポートにおけるインフレの鈍化の兆候を受けて、8月末にワイオミング州ジャクソンホールで開催されるFRBシンポジウムについての期待が高まっています。そこでは、FRB議長パウエルが鷹派的な姿勢を維持する可能性があり、これがUSDの購買活動を刺激する可能性があります。
シンポジウムの後には、円に関連するキャリートレードの復活についての議論が浮上しています。日本銀行（BOJ）が最近調整したイールドカーブコントロール（YCC）政策にもかかわらず、10年国債利回りは大きく上昇していません。BOJは10年国債利回りの許容範囲を広げたものの、緩和的な姿勢が引き続き優勢であり、これが債券市場にも反映されています。
一方で、EUR/USD為替レートは1.10の水準を維持しています。今日のアメリカのCPIデータ発表後、一時的に約1.1065まで上昇し、21日移動平均を試す動きがありましたが、その後の売り圧力が現れました。EUR/USDペアは100日移動平均のサポートを見つけており、強い立場を維持していますが、ユーロへの楽観的な見方は、ヨーロッパ中央銀行（ECB）の鷹派的な姿勢からの進展とともに徐々に鈍化しています。
ECBのより緩和的な姿勢への転換は、ユーロ圏の経済の不振を示しています。2％の目標から大きく逸脱しているにもかかわらず、さらなる金利上昇が経済成長を抑制するリスクが高まっています。以前はギリシャなどがユーロ圏経済の低迷要因でしたが、現在はユーロ圏最大の経済大国であるドイツに焦点が当てられています。
GBP/USD為替レートは、アメリカのCPIデータが公表された後、一時的に1.28の水準まで上昇しました。しかしこの上昇も短命で、すぐに下降トラジェクトリーに戻りました。このレートは7月下旬からの下降トレンドを変えておらず、ポンド/ドルペアの動向についての議論が続いています。
明日は、英国の6月の月次GDPデータが発表される予定です。同時に第2四半期（Q2）のGDPデータも公表されます。初期の予測では、四半期ごとのベースで成長率は0.0％とされています。しかし、もしマイナス成長が現れる場合、アナリストはGBP/USD為替レートが急速に下落する可能性があると考えています。特に、現在のところ1.26を下回る水準に位置する100日移動平均線は、ポテンシャルな下降トラジェクトリーに対する直接のサポートレベルとして注目されています。
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