パラボリックSARについて
テクニカル分析の面で、大変便利なツール
パラボリックSARはFXに取り組む上で知っておくとテクニカル分析の面で、大変便利で強力なFX指標になります。
その歴史は長く、株式投資でも良く利用され、４０年以上の歴史ある指標なので信頼性があります。
導入するのが非常に簡単ですが、活用方法とメリット・デメリットを解説します。
それでは早速、「パラボリックSAR」について詳しくみていきましょう。
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まずはじめに、パラボリックSARとは一体何なのかをみていきましょう。
パラボリックSARとは？
パラボリックとは正式には「パラボリック・タイム・プライス・システム」というトレンド系テクニカル指標になります。
移動平均線と同じトレンド系の指標で、トレーダーによっては良く利用する方も多いです。
SARは、Stop And Reverse(ストップアンドリバース)という意味で、ローソク足の上下に並んでいる複数の点を意味します。そしてこのSARを使用したものがパラボリックです。
トレンド転換のタイミングを見極めるときに有効なのでトレードを行う上で非常に便利です。
では次に、実際の計算方法をみていきましょう。
パラボリックSARの計算方法
パラボリックSARは下記の計算式により算出されます。
SAR = (EP−前日のSAR) × (AF) + (前日のSAR)
導入するのに計算は必要ありません。
導入するのに、毎回上記の計算式で求める必要がないので安心です。
次に、計算式の3要素について確認していきましょう。
計算式の3要素について
下記の3要素が計算式のポイントとなります。
要素１
EP(極大値)
EP(Extreme Price)は、「極大値」やカタカナで「エクストリーム・プライス」と呼ばれます。
EPの示す値は以下の2つです。
上昇トレンド中(SARが買いシグナル) → 期間中の最高値
下降トレンド中(SARが売りシグナル) → 期間中の最安値
上記のように、EPは各トレンドでの最高値／最安値を示します。
要素２
AF(加速因子)
AF(Acceleration Factor)は、日本語では「加速因子」として知られ、パラボリックの感度を決定づける値です。
設定は初期値と最大値をパラメータとして入力します。
デフォルトの設定値は以下の通りです。
- 初期値：0.02
- 最大値：0.2
数値をより小さくした場合には、「だまし」は少なくなります。
しかし、感度が鈍くなり、変化のタイミングが遅れます。
逆に設定数値をより大きくした場合には「だまし」が多くなるので設定には注意が必要です。
要素３
SAR (パラボリックの値)
トレンドが変化した直後のSARの初期値は以下のとおりです。
- 上昇トレンドになった時の初期値 → 前回の下降トレンド最安値
- 下降トレンドになった時の初期値 → 前回の上昇トレンド最高値
SARの初期値からトレンドの終わりまでが放物線状に並ぶことにより、パラボリックSARを形作ります。
では次に、パラボリックSARの活用方法をみていきましょう。
パラボリックSARの活用方法
パラボリックSARは、下記の3点を意識する事で活用できます。
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意識する点１
上昇トレンド／下降トレンド
今、トレンドが上昇しているか下降しているのかを判別できます。
SARの点の位置をチェックすると、上昇トレンドの時はローソク足の下に、下降トレンドの時はローソク足の上にSARがあるので簡単に判別が可能です。
意識する点２
トレンドが強いか／弱いか
SARの点の間のギャップとトレンドの強弱が比例しているので、現在のトレンドが強いのか弱いのか一目瞭然です。
2つの点のギャップが広いければ広いほどトレンドは強く、逆にギャップが狭ければ狭いほどトレンドが弱いことを示しています。
ギャップが少しずつ広がると、強いトレンドが発生し始めたと判断出来ます。
意識する点３
トレンド転換のタイミング
ローソク足とSARの点が交差するポイントが、トレンド転換のタイミングです。
ローソク足と交差した後に、SARの点は元あった場所から反対側に移動します。
言い換えると、ローソク足の上にあったSARが下に移動、もしくは下にあったSARが上に移動するのでトレンド変化のタイミングが視覚的に非常に把握しやすいです。
では、実際にパラボリックSARのトレード例をみてみましょう。
パラボリックSARのトレード例
トレード方法は非常にシンプルです。
下記の簡単な手順で、エントリーから決済までを行います。
トレンド転換のポイントでエントリー
- 売りエントリー：
下降トレンドの転換時（SARがローソク足の下から上に移動した時） - 買いエントリー：
上昇トレンドに転換時（SARがローソク足の上から下に移動した時）
トレンド転換のポイントで決済
- 買いサイン(売りポジションの決済)：
上昇トレンドの転換時（SARがローソク足の上から下に移動した時） - 売りサイン(買いポジションの決済)：
下降トレンドの転換時（SARがローソク足の下から上に移動した時）
パラボリックSARを用いてのトレードは「エントリー」も「決済」もトレンド転換のポイントで行ないます。
エントリー時と逆の方向に向かったら決済をするだけのなので大変わかりやすいです。
上述したように、パラボリックSARは大変シンプルでわかりやすいトレード方法です。
さらに、パラボリックSARのメリットをみてみましょう。
パラボリックSARのメリット
パラボリックSARのメリットは以下の2つです。
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メリット１
トレンド相場に威力を発揮
冒頭の説明でも説明した通り、トレンド系の指標であるため、トレンド相場で威力を発揮します。
トレンドの向き・強弱・転換ポイントの全てが視覚的に分かりやすいので、エントリーや決済のタイミングなど利益を積み上げる上で助けになることはもちろん、使い方がシンプルなので使い勝手が良い点がメリットです。
メリット２
ドテン売買で利益アップの速度向上
保有しているポジションを決済後に、すぐ逆のポジションをとる、いわゆる「ドテン売買」を可能にします。
ドテン売買でトレードを行なうことは、ポジションを多く決済する機会が必然的に増えます。
そのため、うまく行けば収益アップと利益積み上げのペースが早くなります。
パラボリックSARのメリットを確認したところで、デメリットについてもみてみましょう。
パラボリックSARのデメリット
パラボリックSARのデメリットは以下の2つです。それぞの対策方法も解説します。
MT4の場合
デメリット１
レンジ相場の時に機能しない
方向性のあるトレンドラインでは機能する一方、一定の値幅の中で上下するレンジ相場で、パラボリックSARは機能しません。
そのような場合には他のツールと併用してみることをおすすめします。
例）DMIのADXでは「トレンドの強弱のみ」を判別できるので、レンジ相場対策としてADXでトレンドが認められる時にパラボリックSARを使うことをおすすめします。
デメリット２
「だまし」で損失を出す可能性がある
パラボリックSARでトレンド反転のサインが出たのに相場が思ったように変動せずに、損失が出る可能性があります。
対策としては、主に下記の3つの方法があります。
- -3つSARの点が出現したらトレンド転換と確定する
- -短期の足にとらわれず、長期の足も確認することで、トレンド転換なのか押し目なのかを判断する
- -パラメータAF値を小さく設定することで感度を下げ、「だまし」出現自体を減らす
では最後に、MT4にパラボリックSARを表示する方法をみてみましょう。
パラボリックSARの表示方法
MT4でのパラボリックSARの表示方法は以下の通りです。
「挿入」→ 「インジケーター」→「トレンド」→「Parabolic SAR」をクリック
パラボリックSARはMT4にデフォルトにあるインジケーターです。
そのため、新たに導入する必要がないので上記のように簡単に表示させることができます。
まずは試しに表示させてみて使用感を確かめてみてから、活用してみましょう。
ここまで、「パラボリックSAR」について詳しくみてきました。
それでは最後に、パラボリックSARに関する「まとめ」を確認しておきましょう。
まとめ：パラボリックSAR
トレンド相場で威力を発揮するパラボリックSARは、使い方も簡単でおすすめです。
パラボリックSARが指し示すトレンド転換ポイントを頼りにエントリーと決済をくり返す事で、利益の積み上げを可能にします。
これまで、自身のFXトレードでパラボリックSARを試したことのないトレーダーは、ぜひこの機会に試してみてください。
FXトレードの勝率をパラボリックSARで上げるこができれば、加速度的にFXでの利益増加を狙うことが可能です。
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